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100人規模でのオンライン授業の体験談と注意点

 

オンライン授業導入にあたって

講師として日頃生徒へ向けて授業を行っているのですが、コロナ禍での休校となり、何かできることはないかと模索し、オンライン授業を行うことにしました。
もともと学校にはオンライン授業ができるような機材はなかったので、急いでipadやモバイルルーターを用意しました。
オンライン授業は、今までやったことがない新たな取り組みだったので、講師間での温度差が激しく「やりたい人は勝手にどうぞ」という雰囲気の中でスタートしてしまいました。教科ごとの別の講師と連携をし、1回40分以内のオンライン授業を配信しました。

保護者への対応

他の講師の方と協力し、事前に保護者と生徒へオンライン授業を行うことを周知し、パソコンやスマートフォンでオンライン授業に参加できるかを調査してみました。
この時点で、保護者からは「機材がなくオンライン授業に参加できない」「プライバシーの保護の問題」「zoomに不具合があった時の責任」等のクレームが数件きました。

オンライン授業時の注意点

実際のオンライン授業を行う上で注意した点は、生活音が漏れて授業の妨げにならないよう生徒はミュートにすること、生徒同士の雑談を防ぐためプライベートチャットの利用は不可にすること、プライバシー保護やいたずらを防ぐためにスクリーンショットを禁止することなどです。質問などがある場合は手を挙げる機能を活用しました。
また、講師間での協力は必須で、授業者の他に、サポート役の講師を配置しました。関係者ではない不審な人が入室できないようにしたり、チャット機能を用いて授業の補足をしたりしました。サポート役の講師がいることで、授業者は授業を行うことに集中できますし、生徒も安全で質の高いオンライン授業を受けることができます。基本的には、授業者が話すメインでしたが、授業の最後に質問を受け付けるなどして、双方のコミュニケーションをとり、他の動画サービス(YouTubeなどの教育動画)との差別化を図りました。

オンライン授業の今後

今後、通常の対面授業もオンライン授業も、自分で好きな方を選べるようになればいいなと考えています。ただ現状では、導入するための問題がいくつもあります。
例えば、機材の確保、費用負担、講師間の意識のすり合わせ、保護者・生徒の理解と協力などです。また、ルールの見直しや、単位認定の基準の整備なども必要そうです。コロナ禍で不便な思いもたくさんしましたが、これを機に教育分野でももっと自由で、新しい授業ができるようになればいいなと思います。